骨粗しょう症
骨粗しょう症とは、骨がスカスカになり骨の強度が下がってしまうため、骨折を起こしやすくなる病気です。現在、日本でも高齢化が進むにつれ、骨粗しょう症患者が増加傾向にあると言われています。しかし、骨粗しょう症は痛みなどの症状があまりないため、自覚症状がなく、実際に治療を受けていらっしゃる方はとても少ないのです。気づかないうちに骨粗しょう症の程度が進んでしまい、転んだり手をついたりしただけで骨折してしまうこともあります。
当院では、最新のガイドラインに基づいたDEXA法による骨密度検査により、正確な骨粗しょう症診断を行い、骨折の予防に力を入れています。定期的な検査と早めの治療で、いつまでも元気に動ける身体づくりをしましょう。
骨粗しょう症とは

骨粗しょう症の原因

女性によく見られる病気です
私たちの骨も髪の毛や爪と同じく生きていて、新しい骨が作られる「骨形成」と古い骨が溶けて壊される「骨吸収」を繰り返しながら、健康な新陳代謝を保っています。この新陳代謝のバランスが、加齢や閉経後の女性ホルモンの低下、カルシウム不足、運動不足、喫煙や飲酒などのさまざまな原因で乱れてしまい、「骨吸収」ばかりが進んでしまうと、どんどん骨量が減っていってしまうのです。特に女性は、閉経後、「骨吸収」を抑え骨からカルシウムが溶け出さないようにする働きのある女性ホルモンの分泌が低下してしまうため、骨粗しょう症のリスクが高まります。50歳以上の女性の方は、一度骨密度検査を受けてみることをおすすめします。また、男性でも高齢の方、生活習慣病や関節リウマチなどの疾患をお持ちの方にも、定期的な検査をおすすめしています。

こんな症状はありませんか?

□以前より身長が低くなった
□背中や腰が丸くなってきた
□背中や腰が痛い
□すぐにお腹がいっぱいになる
□歩くと息切れがする
□転びやすくなってきた
□家族が骨粗しょう症と診断されたことがある

一つでも当てはまる方は、早めの受診をおすすめします。

骨密度検査(DEXA法)について

”腰”と”足の付け根”で行う骨密度測定器(DEXA法)を導入しています
当院では、骨密度測定専用の検査室を設け、最新のガイドラインに基づき、腰と足の付け根の骨密度を測ることで、正確に骨粗しょう症の診断を行っています。
骨密度測定器(DEXA法)

”腰の骨”と”足の付け根”の骨折は命に関わります

骨粗しょう症により骨折しやすいのは、背骨・腰骨、足の付け根、手首、腕の付け根です。中でも、足の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)と背骨の圧迫骨折(脊椎圧迫骨折)は、骨粗しょう症性骨折の中でも、もっとも頻度が高く予後が悪い骨折とされています。これらの骨折は、腰や背中が曲がって内臓へ負担がかかり、合併症を引き起こしたり、歩くのが困難になって寝たきりや要介護状態につながり、死亡リスクを高めてしまう非常に危険な骨折なのです。

骨粗しょう症の治療と予防

骨粗しょう症の治療は、骨密度の低下を抑え、骨折しないことを目的とし、薬物療法、食事療法、運動療法を中心に行います。骨粗しょう症のお薬もさまざまなものがあり、検査結果や患者様の状態に応じて選択していきます。
骨粗しょう症は、予防することが可能な病気でもあります。普段から、カルシウムやビタミンDが多く含まれたバランスの良い食事を取ることを心がけたり、インスタント食品やお菓子の摂りすぎに注意することも大切です。また、骨を強くするために、ウォーキングやジョギングをするのも良いでしょう。体に痛みのある方は、ストレッチや体操などの無理のない運動でも効果的です。また、日光浴はカルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成に良いと言われています。
転倒を予防しましょう
高齢者の骨折のほとんどが、転倒が原因なので、普段から転ばないようにする工夫も大切です。

・部屋の中の段差をなくす
・手すりをつける
・滑りやすいスリッパや床に気をつける
・夜中のトイレに気をつける
・コード類を片付ける

定期的な検診が大切です

自分が骨粗しょう症であるということは、骨折してからでないと気づかない方がほとんどです。症状がなくても、若いうちから定期的に骨密度検査を受け、ご自分の骨の状態を知っておくことは、健康的に長生きするためにはとても大切です。
特に女性の方は、40代を超えたあたりから意識して、1年に1度は骨密度検査を受けることをおすすめします。
高齢者の方は骨折してしまう前に骨密度検査を受け、早期に治療を開始することがとても重要です。